★庄内三十三観音霊場

札所数 35(番号付き札所:33  客番・番外札所:2)
別称 荘内三十三観音霊場
関連霊場 置賜三十三観音霊場」と「最上三十三観音霊場」を合わせて、出羽百観音霊場(山形百観音霊場とも)と呼ぶ
公式情報・事務局  
御開帳情報 直近では平成30(2018)年5月1日から10月31日まで御開帳されている
開創年・開創者 (A説)正徳4(1714)年  大恵東水/(B説)正徳5(1715)年8月
縁起・由緒・開創経緯

◆庄内札所霊場御縁起序文より一部抜粋、修正(A説)◆

庄内の地に札所霊場が設けられたのは、正徳四(1714)年羽黒山荒沢寺の大恵東水和尚(三山史の著者)が藤島、鶴岡の僧俗を集め、霊験あらたかな観音霊場三十三ヶ所を選定し、当国札所と名付けられたことに始まる。

和尚自ら各地を巡錫して、その実情に即した御詠歌を作製せられたもので、その後この霊場に名を借り、他国から隠密の類が入国するようになったので、藩主酒井公もこれを防がんがため一時巡礼を廃止されたものであるが、廃藩後、御詠歌の流行並びに戦後平和観音霊場設置に伴い、再び観音霊場参りが盛んになった。

その際に神社霊場を改め、同時に名称を庄内札所観音霊場と改めた。

 

◆(B説)◆

正徳五乙未年八月、羽黒山空照院・鶴ヶ岡白銀町福泉院等発起人ニテ、鶴ヶ岡・松山町人六人、島村・藤島村百姓二人申合、三郡中二三十三所ノ札所ヲ定ム。

備考

・山形県の庄内地方と呼ばれるエリアに札所が点在している。

・開創に関して上記AとBの2説があるようだが、現在はA説が通説となっているようだ。

・開創者とされる大恵東水和尚は、羽黒山荒沢寺の住職を務めた人物である。

・首番と番外の札所を合わせた、全35箇所から成る観音霊場。

・公式サイトによれば、徒歩で約220km、自家用車で約230kmの行程になるとされる。

・霊場専用の御朱印帳(納経帳)や御姿等の巡拝用品も整っており、御開帳時は賑わいを見せている。

情報掲載日・更新日 公開:2018年09月20日  更新:2020年12月13日

 

札番 山・院・寺号 霊場御本尊 御本尊 宗派 住所 備考
首番 羽黒山 荒沢寺 聖観世音菩薩

湯段山大日如来

月山阿弥陀如来

羽黒山観世音菩薩

羽黒山修験本宗 鶴岡市羽黒町手向羽黒山24 荒沢不動
1番 羽黒山 荒沢寺 正善院 聖観世音菩薩

湯段山大日如来

月山阿弥陀如来

羽黒山観世音菩薩

羽黒山修験本宗 鶴岡市羽黒町手向手向232  
2番 羽黒山 金剛樹院 聖観世音菩薩 阿弥陀如来 天台宗 鶴岡市羽黒町手向手向285  
3番 長瀧山 善光寺 聖観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 東田川郡庄内町三ヶ沢宮田2  
4番 福地山 長現寺 聖観世音菩薩 釈迦如来 曹洞宗 鶴岡市羽黒町狩谷野目高坂32  
5番 桃林山 永鷲寺 十一面観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 鶴岡市添川池苗代40  
6番 白狐山 光星寺 十一面観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 東田川郡庄内町三ヶ沢中里47  
7番 寺尾山 法光院 如意輪観世音菩薩 不動明王 真言宗智山派 鶴岡市黒川宮の下290  
8番 椙尾山 地蔵院 千手観世音菩薩 千手観世音菩薩 真言宗智山派 鶴岡市馬町枇杷川原97  
9番 湯殿山 大日坊 聖観世音菩薩 大日如来 真言宗豊山派 鶴岡市大網入道11  
10番 良茂山 持地院 千手観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 酒田市日吉町1 酒田大仏、庄内平和100観音
11番 見龍山 円通寺 准胝観世音菩薩 聖観世音菩薩 曹洞宗 酒田市麓楯の越50  
12番 洞瀧山 総光寺 聖観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 酒田市総光寺沢8  
13番 東林山 宝蔵寺 聖観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 酒田市山寺酒見初沢154  
14番 梅枝山 乗慶寺 如意輪観世音菩薩 聖観世音菩薩 曹洞宗 東田川郡庄内町余目館27  
15番 本居山 龍沢寺 聖観世音菩薩 地蔵菩薩 曹洞宗 酒田市茗ヶ沢沢尻140  
16番 松河山 海禅寺 十一面千手観世音菩薩 釈迦牟尼如来 曹洞宗 飽海郡遊佐町吹浦横町54  
17番 薬王山 東光寺 十一面観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 酒田市飛鳥大道端104  
18番 生石山 延命寺 聖観世音菩薩 不動明王 真言宗智山派 酒田市生石大森山164  
19番 鳥海山 龍頭寺 十一面観世音菩薩 薬師如来 真言宗智山派 飽海郡遊佐町上蕨岡松ヶ岡45 出羽一の宮大権現
20番 春王山 満蔵院 光国寺 聖観世音菩薩 聖観世音菩薩 真言宗醍醐派 酒田市日吉町1  
21番 鳥海山 松葉寺 如意輪観世音菩薩 不動明王 真言宗智山派 飽海郡遊佐町吹浦丸岡148  
22番 清流山 洞泉寺 千手観世音菩薩 聖観世音菩薩 曹洞宗 東田川郡三川町猪子甲85  
23番 光国山 勝伝寺 聖観世音菩薩 聖観世音菩薩 曹洞宗 鶴岡市播磨乙43  
24番 萬歳山 冷岩寺 十一面観世音菩薩 釈迦牟尼仏 曹洞宗 東田川郡庄内町狩川阿古屋42  
25番 明石山 龍宮寺 聖観世音菩薩 聖観世音菩薩 天台宗単立 鶴岡市加茂195  
26番 大日山 長福寺 十一面観世音菩薩 十一面観世音菩薩 真言宗豊山派 鶴岡市湯田川乙35  
27番 大日山 井岡寺 勢至観世音菩薩 勢至観世音菩薩 真言宗智山派 鶴岡市井岡甲199  
28番 新山 龍覚寺 聖観世音菩薩 不動明王 真言宗豊山派 鶴岡市泉町1  
29番 修行山 南岳寺 聖観世音菩薩 大日如来 真言宗智山派 鶴岡市砂田町3  
30番 高寺山 照光寺 千手観世音菩薩 千手観世音菩薩 真言宗豊山派 鶴岡市羽黒町高寺南畑76 庄内平和100観音
31番 湯殿山 注連寺 聖観世音菩薩 大日如来 真言宗智山派 鶴岡市大網中台92  
32番 太白山 吉祥寺 千手観世音菩薩 文珠菩薩 曹洞宗 鶴岡市板井川村西43  
33番 金峯山 青龍寺 如意輪観世音菩薩 如意輪観世音菩薩 真言宗豊山派 鶴岡市青龍寺金峰6 庄内13仏
番外 慶光山 観音寺 十一面観世音菩薩 十一面観世音菩薩 真言宗智山派 酒田市亀ヶ崎5  

 

札番 御詠歌
首番 人の世の 願ひも積みの 山深く 上れば清き 法の月影
1番 たのもしき 法の光の 黄金だう 尽きぬ誓ひも 世々に知られて
2番 世の人を 漏れなく救ひ 給もうこそ 我が御仏の 誓ひなりけり
3番 きざはしの 上るが如く 善光寺 おろがむ功徳 誓い頼もし
4番 諸人の 願いも深き 福地道 大慈大悲の 誓い頼もし
5番 誰も皆 祈る心は 永鷲寺 深き願ひを 得るぞ嬉しき
6番 月共に 遍く照らす 光星寺 法の光を 明らかに見ん
7番 墨染めの 衣やさらす 黒川の なにも御法の あらわれにけり
8番 いつの日か また馬町の 地蔵院 生まれ合わせし 今日を喜べ
9番 誓い置く 遍き御名の 御仏に 心を込めて 願へ大網
10番 頼もしや 昔ながらの つえざくら 良くこそ茂れ いつの世までも
11番 上りなば 後振り返れ 麓山 菩提の道を 急げ共々
12番 年を経て よもや枯れじの この桜 中山寺の あらん限りは
13番 おのづから 開く宝の 蔵なれば いつかは積もる 法の山寺
14番 ありがたや 身に余る目の 御利生は この世ばかりか 後の世のため
15番 祈るより 早現はるる 茗ヶ沢 後の世かけて 我を迎え
16番 よそならず ここ補陀洛の たかん岩 来すつ波を ゐながらに聞く
17番 ただ頼め いらかも高く 飛ぶ鳥の 飛鳥の寺の 広き誓ひを
18番 あらたなる 法のしるしに おほいしの 重き障りも 今は残らず
19番 世に広き つかひは尽きじ 鳥の海 千尋の先は よしはかるとも
20番 これやこの 浮き世にあへる 亀ヶ崎 かかる御法の 世に生まれ来て
21番 見晴るかす 四方の山川 鳥の海 高きを仰ぐ 目下の白波
22番 訪ね入る 人こそ変われ 徳法の 遍き角の 寺居なりけり
23番 播磨なる 飾磨に遠き 果てまでも 法を思へば 徒歩よりぞ行く
24番 狩川や 仮の世ながら 北館の 流ればかりは 枯るることなし
25番 龍の宮 千尋の底の うろくづも 漏らさですくふ 恵み頼もし
26番 湧きかえる 出湯に人を 助くるも 皆大慈悲の 誓ひならずや
27番 井の岡や 結ぶつつゐの 水清き あかぬ御寺を またも訪ね
28番 世を守る 法の印に あらたなる 山の梢に 有明の月
29番 幾千歳 国や栄えん 鶴ヶ岡 絶えぬ御法の 花のかざしに
30番 頼もしな 恵みは四方に 高寺の 山刷毛衣 露に濡れても
31番 彼の岸に 願ひをかけて 大網の 引く手に漏るる 人はあらじな
32番 千代を経て 茂れる杉の 板井川 流れて清き 法の水上
33番 巡り来て 黄金の峰に 上る身は 蓮の台の 色とこそ見れ
番外 濁りたる 罪も流れて 鵜渡川原 心に浮かぶ 慈悲の月影