札所数 | 33(番号付き札所:33 客番・番外札所:0) |
別称 | |
関連霊場 | |
公式情報・事務局 | |
御開帳情報 | |
開創年・開創者 | 宝永年間 卽阿法印と雪山村積和尚などが開創、昭和3(1928)年に復興 |
縁起・由緒・開創経緯 |
◆石見物語:随筆 から抜粋・補記◆ ・濱田領三十三所と巡禮の復活・ 今から二百二十餘年前、三隅正法寺の卽阿法印、龍雲寺第十七世雪山村積和尚等の高僧達によって、濱田領三十三所の札所を定め其巡禮を盛にしたものだが、何時の頃からかそれが衰微し今では全く廃れて、其中の寺院も廃滅移轉したものが少なくない。 篤信者の誰彼は此名刹道場の巡拝を思ひ立ち、昭和三年十一月の御大典に因みて愈々之れを復活した。乃つ、同行三十三人は明治節の佳節を卜し菅笠、金剛杖、負摺を身につけて濱田寶福寺に祀る第一番觀音院の本尊を拝し、御詠歌の第一聲をあげ順次巡拝して、同夜は三隅龍雲寺に一泊し、二日目の午後五時濱田觀音寺を打留めとして復興第一回の濱田領三十三靈場巡りを終った。 因みに御詠歌の作者は、寶永の歌人米山重矩、森脇澤水、矢野茂の諸氏で、京都に於て懸額三十三面を作り、各寺に奉納したのである。 又、昭和五年八月、濱田中川金平翁は歌詞を背景として觀音の妙相を描き、石板に付して詠歌本五十冊を作り、靈場の各寺に一部づつ奉納した。 |
備考 |
・島根県浜田市内を中心とした観音霊場。 ・開創の詳細な年は不明。 ・開創時期の記載は、昭和7(1932)年に出版された随筆石見物語の中で、「今から220年余前」となっていることからの推定。 ・昭和の始めに復興を見たようだが、現時点では完全に廃れてしまった霊場となっている。 |
情報掲載日・更新日 | 公開:2019年05月16日 更新:2019年05月16日 |
札番 | 山・院・寺号 | 御本尊 | 宗派 | 住所 | 備考 |
1番 | 三重山 観音院 | 千手観世音菩薩 | 島根県浜田市京町7 | お堂のみ、法福寺(?)の管理 | |
2番 | 見流山 善福寺 | 臨済宗東福寺派 | 島根県浜田市相生町1405 | ||
3番 | 高野山 慈雲寺 | 臨済宗東福寺派 | 島根県浜田市後野町1817 | ||
4番 | 伊甘山 安国寺 | 阿弥陀如来 | 臨済宗東福寺派 | 島根県浜田市上府町イ65 | 石見33観音 |
5番 | 如意山 泰林寺 | (浜田市下府町) | 廃寺 | ||
6番 | 良松山 光明寺 | 高野山真言宗 | 島根県浜田市下府町1005 | ||
7番 | 金撞山 谷田庵 | (国分) | |||
8番 | 亀甲山 無量院 多陀寺 | 十一面観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 島根県浜田市生湯町1767 | 中国33観音、石見33観音 |
9番 | 亀宝山 来福寺 | 高野山真言宗 | 島根県浜田市田町1322 | ||
10番 | 岩谷山 心覚院 | 阿弥陀如来 | 浄土宗 | 島根県浜田市松原町266 | |
11番 | 慈現山 洞泉寺 | 聖観世音菩薩 | 臨済宗東福寺派 | 島根県浜田市清水町67 | |
12番 | 紅蓮山 観音寺 | 曹洞宗 | 島根県浜田市真光町63 | ||
13番 | 鶴島山 宝福寺 | 薬師如来 | 高野山真言宗 | 島根県浜田市大辻町82 | 石見33観音 |
14番 | 熱田山 福恩寺 | 阿弥陀如来 | 臨済宗東福寺派 | 島根県浜田市熱田町1707 | |
15番 | 高井山 貞実庵 | (内) | 廃寺、本尊は長福寺へ移動 | ||
護国山 長福寺 | 臨済宗東福寺派 | 島根県浜田市内村町805 | |||
16番 | 月劫山 訂心寺 | 十一面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 島根県浜田市長浜町1588 | |
17番 | 天遊山 護念院 心光寺 | 阿弥陀如来 | 浄土宗 | 島根県浜田市長浜町1500 | |
18番 | 神護山 宝幢寺 | (長浜→内) | |||
19番 | 心通山 嶺光寺 | (日脚) | |||
20番 | 興国山 聖徳寺 | 釈迦如来 | 曹洞宗 | 島根県浜田市周布町10 | |
21番 | 瑞松山 円通寺 | (吉地) | 廃寺、本尊は聖徳寺(20番)へ移動 | ||
22番 | 大麻山 尊勝寺 | 真言宗 | 島根県浜田市三隅町室谷1097 | 廃寺、遺跡のみ、本尊は浄琳寺へ移動 | |
医王山 浄琳寺 | 薬師如来 | 高野山真言宗 | 島根県浜田市周布町ロ118 | 石見33観音 | |
23番 | 大麻山 東泉寺 | ||||
24番 | 天照山 常楽寺 | 曹洞宗 | 島根県浜田市三隅町芦谷382 | ||
25番 | 海蔵山 龍雲寺 | 釈迦如来 | 曹洞宗 | 島根県浜田市三隅町芦谷909 | |
26番 | 宝珠山 正法寺 | 高野山真言宗 | 島根県浜田市三隅町三隅1013 | 石見33観音、三隅氏の菩提寺 | |
27番 | 観音山 永福寺 | 釈迦牟尼仏 | 曹洞宗 | 島根県浜田市三隅町三隅1454 | 資料では旧寺号の南昌寺 |
28番 | 向田山 恵日庵 | (浜田市三隅町向野田) | 廃寺、本尊は良忠寺へ移動 | ||
恵日山 誕生院 良忠寺 | 阿弥陀如来 | 浄土宗 | 島根県浜田市三隅町向野田342 | 良忠(記主禅師)誕生地 | |
29番 | 仁慈山 洞明寺 | 曹洞宗 | 島根県浜田市三隅町三隅931 | 資料では旧山号の春日山 | |
30番 | 水月山 法寿庵 | (浜田市三隅町向野田) | |||
31番 | 亀鶴山 安穏寺 | (浜田市三隅町古市場) | 廃寺、本尊は個人宅で管理 | ||
32番 | 大賀山 聚泉寺(寿泉寺) | 廃寺、本尊は極楽寺(33番)へ移動 | |||
33番 | 清水山 松林院 極楽寺 | 阿弥陀如来 | 浄土宗 | 島根県浜田市三隅町湊浦352 |
札番 | 御詠歌 |
1番 | 補陀洛や 那智のお山の 瀧ならで ここにも響く 三重の河波 |
2番 | 来て見れば 流れも清き 水の面に 月影照らす 秋の川波 |
3番 | 高野山 隈なき月の 影だにも 澄むを心の 法の池水 |
4番 | 訪ね行く 心も安き 国なれば 頼む御寺の 法ぞ尊とき |
5番 | 罪あるも 漏らさず救ふ 御法こそ 深き恵みの 心なるらめ |
6番 | 心にも 映る光の 明らかに 願ふ仏の 御影なるらん |
7番 | 鐘の音も 浮世の夢や 覚ますらん この暁の 松風の聲 |
8番 | ただ頼め 頼む仏の 誓ひこそ 憂き身も漏れぬ 教へなりけり |
9番 | 巡り来て 見れば幾世を ふる寺の 苔の衣に 月も宿れる |
10番 | 漁りする 罪さえ消えて 波の上に 浮かぶは法の 天の捨て船 |
11番 | 汲みて知れ 洞より出づる 泉寺 湧きて尊き 法の誓ひを |
12番 | 頼めただ 誓ひも深き 池水に 浮かぶ蓮の 花の心を |
13番 | 行く末の 齢を待つに 契り起きて 島根にあさる 千代の友鶴 |
14番 | もしほやく 煙も空に 消え果てて 波間に浮かぶ 法の月影 |
15番 | 山高み 仰げば空に 紫の 雲を分けてや 月も出づらん |
16番 | 結びよる 寺井の水の 清ければ 誰も心の 月や澄むらん |
17番 | 蛍をも 集むる夜はの 心には 光を窓の 月やそふらし |
18番 | 祈る身に 神や仏も 隔てなく 護る誓ひの あらたなりけり |
19番 | 朝夕に 願へば西の 嶺晴れて 光さやけき 有明の月 |
20番 | さやかにも 写らふ月の 麓寺 その暁を 嶺の松風 |
21番 | 山風も 軒端の松に 通い来て 御法の声の 綾をなしけり |
22番 | 訪ね入る 人も絶えじな 樒積む 大麻の山の 深き誓ひに |
23番 | 誓ひある 仏の御手の 糸桜 枯れにし枝も かけて咲きそふ |
24番 | 恵みある 日陰に法の 花咲きて 西に行く身の かざしとぞなる |
25番 | 法の舟 身は行く雲の 波の上に 月も港を 出づる浦風 |
26番 | 聞くからに 正しき法の 道なれば ふみは迷はじ 古寺の角 |
27番 | 山の名の 深き恵みに 草も木も 漏れぬ仏の 誓ひなるらん |
28番 | 恵む日の 光を添へて 軒端もる 人も幾代の すぎのしたいほ |
29番 | 春の日の 巡るも遠き 山の端に 花や心の 手向けなるらん |
30番 | 巻きむくの 日原が奥ぞ 静かなる 唱ふる法の いほの明け暮れ |
31番 | 打つ札も 治まれる世を 古寺や 名さへ久しき 鶴亀の山 |
32番 | 身に積もる 心の塵を 吹き払へ 清き湊の 法の浦風 |
33番 | 極楽の 道のしるべの 笈摺を 納むる寺の 名さへ頼もし |