札所数 | 37(番号付き札所:34 客番・番外札所:3) |
別称 | |
関連霊場 | |
公式情報・事務局 | 安房国札観音霊場会(https://awa-junrei.jp/) |
御開帳情報 |
丑歳に本開帳(大開帳)、午歳に中開帳が、それぞれの春頃に行われる[次回は、2026年予定]
◆丑歳に本開帳を行うわけ◆ 昔より安房の国は畜牛が盛んであったことから、祈願者は牛に関して特別な祈念を込めたことに起因するのではないかと言われている。札所の中にも、牛に関する風習が残っているケースも多い。
◆資料より抜粋◆ 安房の人たちは、一代三度、すなわち初度は先祖代々のため、二度目は両親のため、三度目は自身逆修のため、必ず開帳に巡礼すべきものとしているので、開帳中の巡拝者は非常なものであるという。のみならず、このときを期して、安房国中の神社、仏閣いずれも附開帳とてその本尊を内拝せしめ、什物霊宝を陳列して展覧せしむるので他国の巡拝者また多く、彼岸頃よりおよそ100日間、ことに彼岸頃の人出は非常なもので、大正2年丑の大開帳には、那古の観音1日の人出、多きときは3万人を超えたということである。 |
開創年・開創者 | 貞永元年(1232年) |
縁起・由緒・開創経緯 |
◆公式サイトより抜粋◆ 安房の国札三十四カ所観音霊場巡礼は、鎌倉時代、後堀河天皇在位の貞永元年(1232年)、悪疫が流行し、飢饉にも襲われるなど、世情が惨憺たる有様だったことに心を痛めた時の高僧たちが相図って、安房国内に奉安する観世音菩薩にご詠歌を奉納し、厨子の帳を開いて巡り、拝んだことに始まるといわれています。 |
備考 |
・開創されたのは、鎌倉時代になる。 ・房総半島の南部に札所は点在している。 ・他寺の管理、個人の管理、地域の管理が多いので、個人巡拝は難しいとされている。 ・また、御開帳時以外は、無人の札所も多い。 ・霊場専用の納経帳がある。 |
情報掲載日・更新日 | 公開:2014年08月05日 更新:2022年11月14日 |
札番 | 山・院・寺号 | 霊場御本尊 | 宗派 | 住所 | 備考 |
1番 | 補陀洛山 千手院 那古寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市那古1125 | 坂東33観音、2番と22番管理 |
2番 | 潮音山 秀満院 新御堂 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市亀ケ原54 | |
3番 | 船形山 普門院 大福寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市船形835 | 崖観音、23番管理 |
4番 | 岩峰山 真勝寺 | 如意輪観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市富浦町青木173 | 常光寺(富浦町深名)の管理 |
5番 | 海恵山 興禅寺 | 十一面観世音菩薩 | 臨済宗円覚寺派 | 南房総市富浦町原岡275 | 宝鏡寺(富浦町原岡)の管理 |
6番 | 海光山 長谷寺 | 十一面観世音菩薩 | 臨済宗建長寺派 | 安房郡鋸南町勝山409 | |
7番 | 瑞雲山 天寧寺 | 千手観世音菩薩 | 臨済宗建長寺派 | 安房郡鋸南町下佐久間3180 | |
8番 | 乾坤山 日本寺 | 十一面千手観世音菩薩 | 曹洞宗 | 安房郡鋸南町元名184 | 関東91薬師、鋸山、日本最大の磨崖仏 |
9番 | 鹿峰山 信福寺 | 如意輪観世音菩薩 | 曹洞宗 | 安房郡鋸南町大帷子637 | 子授け観音、存林寺(鋸南町元名)の管理 |
10番 | 金清山 往生寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 安房郡鋸南町上佐久間1241 | |
11番 | 奇雲山 金銅寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 安房郡鋸南町上佐久間1977 | |
12番 | 富山 福満寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市合戸569 | 標高349.5m、南総里見八犬伝の舞台 |
13番 | 鳥数山 長谷寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市下滝田486-1 | |
14番 | 朝日山 神照寺 | 十一面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 南房総市平久里中205 | 泉龍寺の管理 |
15番 | 大嶺山 高照寺 | 十一面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 南房総市山田1162 |
大椙山 椙福寺から札所移動 安房国108地蔵、平群21大師 |
16番 | 石間寺(東陽山 小原寺) | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 鴨川市下小原374 | 白滝山不動教会(上小原)の管理 |
17番 | 千光山 清澄寺 | 十一面観世音菩薩 | 日蓮宗 | 鴨川市清澄322-1 | 日本三大虚空蔵 |
18番 | 石見堂 | 如意輪観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 鴨川市貝渚2261-1 | 金剛院(磯村)の境外仏堂 |
19番 | 補陀落山 普門寺 | 聖観世音菩薩 | 日蓮宗 | 南房総市和田町中三原270 | 観音像は正文寺祖師堂内へ |
20番 | 長安山 東光院 石堂寺 | 十一面観世音菩薩 | 天台宗 | 南房総市石堂302 | 関東91薬師、関東108地蔵、安房6地蔵 |
21番 | 長楽山 智光寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市山名1370 | |
22番 | 道場山 護穀寺 勧修院 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市上堀35 | |
23番 | 金剛山 宝珠院 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市府中687 | |
24番 | 平尾山 延命寺 | 十一面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 南房総市本織2014-1 | 長谷山とも |
25番 | 高倉山 真野寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市久保587 | 真野大黒天、山内88霊場、安房6地蔵 |
26番 | 檀特山 医王院 小松寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市千倉町大貫1057 | 小松寺七不思議、里見家の埋蔵金 |
27番 | 中嶋山 住吉寺 | 正観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 南房総市千倉町南朝夷1353 |
海上の島にあった寺院 塩蔵寺(館山市北条)の管理 |
28番 | 福聚山 松野尾寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市神余4612 | 瑠璃山 自性院の管理 |
29番 | 金剛山 慈眼寺 金蓮院 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市犬石379 | |
30番 | 妙法山 観音寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市洲崎1331 | 養老寺 |
31番 | 普門山 長福寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市館山928 | 館山観音、結願寺としての立ち位置 |
32番 | 金剛山 小網寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市出野尾859 | 安房の高野山 |
33番 | 杉本山 東福寺 観音院 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 館山市西長田372 | 来福寺(長須賀)の管理 |
34番 | 高倉山 大山寺 滝本堂 | 千手観世音菩薩 | 真言宗 | 鴨川市平塚1718 | 大山不動、関東三大不動尊 |
番外1 | 震災記念観音堂 | 佐渡渡来丈六大観世音菩薩 | 曹洞宗 | 館山市北条2549-4 | 籐谷山 慈恩院(上真倉)の管理 |
番外2 | 福聚山 観音寺 | 聖観世音菩薩 | 曹洞宗 | 安房郡鋸南町保田335 | 保田神社に隣接 |
番外3 | 大黒山 大智庵 水月堂 | 千手観世音菩薩 | 安房郡鋸南町勝山406 |
札番 | 御詠歌 |
1番 | 補陀落は 他所にはあらじ 那古の寺 岸打つ波を 見るにつけても |
2番 | 新御堂 見上げて見れば 峰の松 くびこい鶴に 亀戸の水 |
3番 | 船形へ 参りて見れば 崖作り 磯打つ波は 千代の数々 |
4番 | 遥々と 上りて見れば 真勝寺 巡礼道も たのもしきかな |
5番 | 寺を見て 今は盛りの 興禅寺 庭の草木も 盛りなるもの |
6番 | 長谷寺へ 上りて沖を 眺むれば にはまの浦に 立つは白波 |
7番 | 丁寧寺 聞いて訊ねて 来てみれば いつも絶えせぬ 松風の音 |
8番 | 遥々と 上れば日本の 山降ろし 松の響きも 実りなるらん |
9番 | 信福寺 上りて岸を 眺むれば 保田の川瀬に 立つは白波 |
10番 | 往生寺 上りて見れば 千種の花 いつも絶えせぬ 法の声かな |
11番 | 遥々と 上りて見れば 金銅寺 萩の柱は 五六千本 |
12番 | 重くとも 軽く上れや 富山へ 四方浄土を 見るも極楽 |
13番 | 分け行きて 来たりて見れば 西の谷 長谷寺とは 名所なるもの |
14番 | 朝日差す 夕日輝く 神照寺 頼みをかくる 伊予の夕立 |
15番 | 大杉へ 聞いて訊ねて 来てみれば 仏の誓い 新たなるもの |
16番 | 石のつま 峰より落つる 滝の音 結ぶ心は 静かなるらん |
17番 | 吹き払う 月清澄の 松風に 浜より沖に 立つは白波 |
18番 | 石見堂 参りて沖を 眺むれば 舟に宝を 積むぞ嬉しき |
19番 | 普門寺へ 檜原松原 分け行けば 恵みも深き 岩屋なりけり |
20番 | ただ頼め 千手の誓い 両助け 二世安楽を かけて頼めよ |
21番 | 光明寺 のぼり長閑けき 春の日に 山名の花の 散るぞ惜しさよ |
22番 | 朝日差す 夕日輝く この堂へ 参る人こそ 仏なるらん |
23番 | 尼寺へ 参る我が身も 頼もしや 花のお寺を 見るにつけても |
24番 | 平尾山 登りて見れば うどの原 出世はここに 七夕の松 |
25番 | 夜もすがら 真野の入り江の 松風に 尾花ぞ見ゆる 秋の夕暮れ |
26番 | 小松寺と 聞いて訊ねて 来てみれば 不思議なるもの 乙王が滝 |
27番 | 中嶋へ 参りて沖を 眺むれば いつも絶えせぬ 波の荒さよ |
28番 | 重くとも 罪には法の 松野尾寺 仏を頼む 身こそ頼もし |
29番 | ずんといり 見上げてみれば 飛錫塚 極楽浄土は 犬石の堂 |
30番 | 観音へ 参りて沖を 眺むれば 上り下りの 舟ぞ見えける |
31番 | 観音へ 参りて沖を 眺むれば 岸打つ波に 舟ぞ浮かぶる |
32番 | 遥々と 登りて見れば 小網寺 鐘の響きに あくる松風 |
33番 | 故郷を 遥々ここに 杉本へ 我が行く先は 近くなるらん |
34番 |
極楽の 御法はここに 大山の 千手の誓い なおも頼もし 萬代の 願いはここに 納め置く 水は苔より 出づる滝本 今までは 親も頼みし おひづるを 脱ぎや納むる たき本のたう |
番外1 | 泡やとて 立つ間無き間に 消ゆる身は 同じ蓮の 花の台に |
番外2 | ありがたや 真の道に 手引きして 深き縁を 結ぶ御仏 |
番外3 | ありがたや 千手の糸を つずみ来て 慈悲の御下で 今ぞ着るらん |