札所数 | 88(番号付き札所:88 客番・番外札所:xx) |
別称 | 本四国霊場 |
関連霊場 | |
公式情報・事務局 | 四国八十八ヶ所霊場会(http://www.88shikokuhenro.jp/) |
御開帳情報 | 各寺院が定期、不定期、非公開の対応をしている |
開創年・開創者 | 弘仁6(815)年 |
縁起・由緒・開創経緯 | |
備考 |
・真言宗の祖、弘法大師空海の所縁を巡る霊場。 ・全長がおよそ1,100kmになる。 ・成人が徒歩で巡礼すると、およそ40日かかる。 ・全国各地にある写し(移し)の八十八ヶ所霊場の大本なので、本四国霊場とも呼ばれている。 ・88ヶ寺に加え、奥之院や前札所、番外札所などがあり、自称も含めると札所数は100ヶ寺を超える。 ・平成26(2014)年には、開創から1,200年を迎えて大々的にPRが成された。 ・徳島県(阿波国)が発心の道場、高知県(土佐国)が修行の道場、愛媛県(伊予国)が菩提の道場、香川県(讃岐国)が涅槃の道場と呼ばれている。 ・勘違いしている人も多いが、弘法大師が札所の番号を付けて回ったわけではない。 |
情報掲載日・更新日 | 公開:2014年02月17日 更新:2014年07月29日 |
札番 | 山・院・寺号 | 御本尊 | 宗派 | 住所 | 備考 |
1番 | 竺和山 一乗院 霊山寺 | 釈迦如来 | 高野山真言宗 | 徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻 | |
2番 | 日照山 無量寿院 極楽寺 | 阿弥陀如来 | 高野山真言宗 | 徳島県鳴門市大麻町檜字段の上 | |
3番 | 亀光山 釈迦院 金泉寺 | 釈迦如来 | 高野山真言宗 | 徳島県板野郡板野町大字亀山下 | |
4番 | 黒厳山 遍照院 大日寺 | 大日如来 | 東寺真言宗 | 徳島県板野郡板野町黒谷字居内 | |
5番 | 無尽山 荘厳院 地蔵寺 | 地蔵菩薩 | 真言宗御室派 | 徳島県板野郡板野町羅漢字林東 | |
6番 | 温泉山 瑠璃光院 安楽寺 | 薬師如来 | 高野山真言宗 | 徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻 | |
7番 | 光明山 蓮華院 十楽寺 | 阿弥陀如来 | 高野山真言宗 | 徳島県阿波市高尾字法教田 | |
8番 | 普明山 真光院 熊谷寺 | 千手観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県阿波市土成町土成字前田 | |
9番 | 正覚山 菩提院 法輪寺 | 釈迦如来 | 高野山真言宗 | 徳島県阿波市土成町土成字田中 | |
10番 | 得度山 灌頂院 切幡寺 | 千手観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県阿波市市場町切幡字観音 | |
11番 | 金剛山 一乗院 藤井寺 | 薬師如来 | 臨済宗妙心寺派 | 徳島県吉野川市鴨島町飯尾 | |
12番 | 摩廬山 正寿院 焼山寺 | 虚空蔵菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県名西郡神山町下分字中 | |
13番 | 大栗山 花蔵院 大日寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗大覚寺派 | 徳島県徳島市一宮町西丁 | |
14番 | 盛寿山 延命院 常楽寺 | 弥勒菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県徳島市国府町延命 | |
15番 | 薬王山 金色院 国分寺 | 薬師如来 | 曹洞宗 | 徳島県徳島市国府町矢野 | |
16番 | 光耀山 千手院 観音寺 | 千手観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県徳島市国府町観音寺 | |
17番 | 瑠璃山 真福院 井戸寺 | 七仏薬師如来 | 真言宗善通寺派 | 徳島県徳島市国府町井戸北屋敷 | |
18番 | 母養山 宝樹院 恩山寺 | 薬師如来 | 高野山真言宗 | 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷 | |
19番 | 橋池山 摩尼院 立江寺 | 地蔵菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県小松島市立江町若松 | |
20番 | 霊鷲山 宝珠院 鶴林寺 | 地蔵菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾 | |
21番 | 舎心山 常住院 太龍寺 | 虚空蔵菩薩 | 高野山真言宗 | 徳島県阿南市加茂町龍山 | 西の高野 |
22番 | 白水山 医王院 平等寺 | 薬師如来 | 高野山真言宗 | 徳島県阿南市新野町秋山 | |
23番 | 医王山 無量寿院 薬王寺 | 薬師如来 | 高野山真言宗 | 徳島県海部郡美波町奥河内寺前 | |
24番 | 室戸山 明星院 最御崎寺 | 虚空蔵菩薩 | 真言宗豊山派 | 高知県室戸市室戸岬町 | 東寺 |
25番 | 宝珠山 真言院 津照寺 | 地蔵菩薩 | 真言宗豊山派 | 高知県室戸市室津 | 津寺 |
26番 | 龍頭山 光明院 金剛頂寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 高知県室戸市室戸町元乙 | 西寺 |
27番 | 竹林山 地蔵院 神峯寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗豊山派 | 高知県安芸郡安田町唐浜 | |
28番 | 法界山 高照院 大日寺 | 大日如来 | 真言宗智山派 | 高知県香南市野市町母代寺 | |
29番 | 摩尼山 宝蔵院 国分寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 高知県南国市国分 | |
30番 | 百々山 東明院 善楽寺 | 阿弥陀如来 | 真言宗豊山派 | 高知県高知市一宮しなね2丁目 | |
31番 | 五台山 金色院 竹林寺 | 文殊菩薩 | 真言宗智山派 | 高知県高知市五台山 | |
32番 | 八葉山 求聞持院 禅師峰寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗豊山派 | 高知県南国市十市 | |
33番 | 高福山 雪蹊寺 | 薬師如来 | 臨済宗妙心寺派 | 高知県高知市長浜 | |
34番 | 本尾山 朱雀院 種間寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 高知県高知市春野町秋山 | |
35番 | 医王山 鏡池院 清滝寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 高知県土佐市高岡町丁 | |
36番 | 独鈷山 伊舎那院 青龍寺 | 不動明王 | 真言宗豊山派 | 高知県土佐市宇佐町竜 | |
37番 | 藤井山 五智院 岩本寺 |
阿弥陀如来・薬師如来 観世音菩薩・地蔵菩薩 不動明王 |
真言宗智山派 | 高知県高岡郡四万十町茂串町 | |
38番 | 蹉跎山 補陀洛院 金剛福寺 | 三面千手観世音菩薩 | 真言宗豊山派 | 高知県土佐清水市足摺岬 | |
39番 | 赤亀山 寺山院 延光寺 | 薬師如来 | 真言宗智山派 | 高知県宿毛市平田町中山 | |
40番 | 平城山 薬師院 観自在寺 | 薬師如来 | 真言宗大覚寺派 | 愛媛県宇和郡愛南町御荘平城 | |
41番 | 稲荷山 護国院 龍光寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 愛媛県宇和島市三間町大字戸雁 | |
42番 | 一カ山 毘盧舎那院 仏木寺 | 大日如来 | 真言宗御室派 | 愛媛県宇和島市三間町字則 | |
43番 | 源光山 円手院 明石寺 | 千手観世音菩薩 | 天台寺門宗 | 愛媛県西予市宇和町明石 | |
44番 | 菅生山 大覚院 大寶寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗豊山派 | 愛媛県浮穴郡久万高原町菅生 | |
45番 | 海岸山 岩屋寺 | 不動明王 | 真言宗豊山派 | 愛媛県上浮穴郡久万高原町七鳥 | |
46番 | 医王山 養珠院 浄瑠璃寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 愛媛県松山市浄瑠璃町 | |
47番 | 熊野山 妙見院 八坂寺 | 阿弥陀如来 | 真言宗醍醐派 | 愛媛県松山市浄瑠璃町八坂 | |
48番 | 清滝山 安養院 西林寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗豊山派 | 愛媛県松山市高井町 | |
49番 | 西林山 三蔵院 浄土寺 | 釈迦如来 | 真言宗豊山派 | 愛媛県松山市鷹子町 | |
50番 | 東山 瑠璃光院 繁多寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 愛媛県松山市畑寺町 | |
51番 | 熊野山 虚空蔵院 石手寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 愛媛県松山市石手2丁目 | |
52番 | 龍雲山 護持院 太山寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 愛媛県松山市太山寺町 | |
53番 | 須賀山 正智院 円明寺 | 阿弥陀如来 | 真言宗智山派 | 愛媛県松山市和気町 | |
54番 | 近見山 宝鐘院 延命寺 | 不動明王 | 真言宗豊山派 | 愛媛県今治市阿方甲 | |
55番 | 別宮山 金剛院 南光坊 | 大通智勝如来 | 真言宗醍醐派 | 愛媛県今治市別宮町3丁目 | |
56番 | 金輪山 勅王院 泰山寺 | 地蔵菩薩 | 真言宗醍醐派 | 愛媛県今治市小泉 | |
57番 | 府頭山 無量寿院 栄福寺 | 阿弥陀如来 | 高野山真言宗 | 愛媛県今治市玉川町八幡甲 | |
58番 | 作礼山 千光院 仙遊寺 | 千手観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 愛媛県今治市玉川町別所甲 | |
59番 | 金光山 最勝院 国分寺 | 薬師如来 | 真言律宗 | 愛媛県今治市国分 | |
60番 | 石鈇山 福智院 横峰寺 | 大日如来 | 真言宗御室派 | 愛媛県西条市小松町石鎚甲 | |
61番 | 栴檀山 教王院 香園寺 | 大日如来 | 真言宗御室派 | 愛媛県西条市小松町南川甲 | |
62番 | 天養山 観音院 宝寿寺 | 十一面観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 愛媛県西条市小松町新屋敷甲 | |
63番 | 密教山 胎蔵院 吉祥寺 | 毘沙門天 | 東寺真言宗 | 愛媛県西条市氷見乙 | |
64番 | 石鈇山 金色院 前神寺 | 阿弥陀如来 | 真言宗石鈇派 | 愛媛県西条市洲之内甲 | |
65番 | 由霊山 慈尊院 三角寺 | 十一面観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 愛媛県四国中央市金田町三角寺甲 | |
66番 | 巨鼇山 千手院 雲辺寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 徳島県三好市池田町白地ノロウチ | 四国高野 |
67番 | 小松尾山 不動光院 大興寺 | 薬師如来 | 真言宗善通寺派 | 香川県三豊市山本町辻 | 小松尾寺 |
68番 | 七宝山 神恵院 | 阿弥陀如来 | 真言宗大覚寺派 | 香川県観音寺市八幡町 | |
69番 | 七宝山 観音寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗大覚寺派 | 香川県観音寺市八幡町 | |
70番 | 七宝山 持宝院 本山寺 | 馬頭観世音菩薩 | 高野山真言宗 | 香川県三豊市豊中町本山甲 | |
71番 | 剣五山 千手院 弥谷寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗善通寺派 | 香川県三豊市三野町大字見乙 | |
72番 | 我拝師山 延命院 曼荼羅寺 | 大日如来 | 真言宗善通寺派 | 香川県善通寺市吉原町 | |
73番 | 我拝師山 求聞持院 出釈迦寺 | 釈迦如来 | 真言宗御室派 | 香川県善通寺市吉原町 | |
74番 | 医王山 多宝院 甲山寺 | 薬師如来 | 真言宗善通寺派 | 香川県善通寺市弘田町 | |
75番 | 五岳山 誕生院 善通寺 | 薬師如来 | 真言宗善通寺派 | 香川県善通寺市善通寺町 | 弘法大師の生誕地 |
76番 | 鶏足山 宝幢院 金倉寺 | 薬師如来 | 天台寺門宗 | 香川県善通寺市金蔵寺町 | |
77番 | 桑多山 明王院 道隆寺 | 薬師如来 | 真言宗醍醐派 | 香川県仲多度郡多度津町北鴨1丁目 | |
78番 | 仏光山 広徳院 郷照寺 | 阿弥陀如来 | 時宗 | 香川県綾歌郡宇多津町 | |
79番 | 金華山 高照院 天皇寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 香川県坂出市西庄町天皇 | |
80番 | 白牛山 千手院 国分寺 | 十一面千手観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 香川県高松市国分寺町国分 | |
81番 | 綾松山 洞林院 白峯寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 香川県坂出市青梅町 | |
82番 | 青峰山 千手院 根香寺 | 千手観世音菩薩 | 天台宗 | 香川県高松市中山町 | |
83番 | 神毫山 大宝院 一宮寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 香川県高松市一宮町 | |
84番 | 南面山 千光院 屋島寺 | 十一面千手観世音菩薩 | 真言宗御室派 | 香川県高松市屋島東町 | |
85番 | 五剣山 観自在院 八栗寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗大覚寺派 | 香川県高松市牟礼町牟礼 | |
86番 | 補陀洛山 志度寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗善通寺派 | 香川県さぬき市志度 | |
87番 | 補陀洛山 観音院 長尾寺 | 聖観世音菩薩 | 天台宗 | 香川県さぬき市長尾西 | |
88番 | 医王山 遍照光院 大窪寺 | 薬師如来 | 真言宗単立 | 香川県さぬき市多和兼割 |
札番 | 御詠歌 |
1番 | 霊山の 釈迦の御前に 巡り来て よろずの罪も 消え失せにけり |
2番 | 極楽の 弥陀の浄土へ 行きたくば 南無阿弥陀仏 口癖にせよ |
3番 | 極楽の 宝の池を 思えただ 黄金の泉 澄み称えたる |
4番 | 眺むれば 月白妙の 夜半なれや ただ黒谷の 墨染の袖 |
5番 | 六道の 能化の地蔵 大菩薩 導き給え この世後の世 |
6番 | 仮の世に 知行争う 無役なり 安楽国の 守護を望めよ |
7番 | 人間の 八苦を早く 離れなば 到らん方は 九品十楽 |
8番 | 焚き木取り 水熊谷の 寺に来て 難行するも 後の世のため |
9番 | 大乗の 秘法も咎も 翻し 転法輪の 縁とこそ聞け |
10番 | 欲心を ただ一筋に 切幡寺 後の世までの 障りとぞなる |
11番 | 色も香も 無比中道の 藤井寺 真如の波の たたぬ日もなし |
12番 | 後の世を 思えば恭敬 焼山寺 死出や三途の 難所ありとも |
13番 | 阿波の国 一宮とは ゆうだすき かけて頼めや この世後の世 |
14番 | 常楽の 岸にはいつか 到らまし 弘誓の船に 乗り遅れずば |
15番 | 薄く濃く 分け分け色を 染め塗れば 流転生死の 秋のもみじ葉 |
16番 | 忘れずも 導き給え 観音寺 西方世界 弥陀の浄土へ |
17番 | 面影を 映して見れば 井戸の水 結べば胸の 閼伽や落ちなん |
18番 | 子を生める その父母の 恩山寺 訪らいがたき ことはあらじな |
19番 | いつかさて 西の住まいの 我が立江 弘誓の舟に 乗りて到らむ |
20番 | しげりつる 鶴の林を しるべにて 大師ぞいます 地蔵帝釈 |
21番 | 太龍の 常にすむぞや げに岩屋 舎心聞持は 守護のためなり |
22番 | 平等に 隔ての無きと 聞く時は あら頼もしき 仏とぞ見る |
23番 | 皆人の 病みぬる年の 薬王寺 瑠璃の薬を 与えましませ |
24番 | 明星の 出でぬる方の 東寺 暗き迷いは などかあらまし |
25番 | 法の舟 入るか出づるか この津寺 迷ふ我身を 乗せて給へや |
26番 | 往生に 望みをかくる 極楽は 月の傾く 西寺の空 |
27番 | 御仏の 恵みの心 神峯 山も誓いも 高き水音 |
28番 | 露霜と 罪を照らせる 大日寺 などか歩みを 運ばざらまし |
29番 | 国を分け 宝を積みて 建つ寺の 末の世までの 利益残せり |
30番 | 人多く たち集まれる 一ノ宮 昔も今も 栄えぬるかな |
31番 | 南無文殊 三世の仏の 母ときく 我も子なれば 乳こそ欲しけれ |
32番 | 静かなる 我が源の 禅師峰寺 浮かぶ心は 法の早船 |
33番 | 旅の道 うえしも今は 高福寺 後の楽しみ 有明の月 |
34番 | 世の中に 蒔ける五穀の 種間寺 深き如来の 大悲なりけり |
35番 | 澄む水を 汲むは心の 清瀧寺 波の花散る 岩の羽衣 |
36番 | わずかなる 泉に住める 青龍は 仏法守護の 誓いとぞきく |
37番 | 六つのちり 五つの社 あらわして 深き仁井田の 神のたのしみ |
38番 | 補陀落や ここは岬の 船の棹 取るも捨つるも 法の蹉山 |
39番 | 南無薬師 諸病悉徐の 願込めて 詣る我が身を 助けましませ |
40番 | 心願や 自在の春に 花咲きて 浮世逃れて 住むやけだもの |
41番 | この神は 三国流布の 密教を 守り給わむ 誓いとぞ聞く |
42番 | 草も木も 仏になれる 仏木寺 なお頼もしき 鬼畜人天 |
43番 | 聞くならく 千手の誓い 不思議には 大盤石も 軽ろく上げ石 |
44番 | 今の世は 大悲の恵み 菅生山 ついには弥陀の 誓いをぞまつ |
45番 | 大聖の 祈る力の げに岩屋 石の中にも 極楽ぞある |
46番 | 極楽の 浄瑠璃世界 たくらえば 受くる苦楽は 報いならまし |
47番 | 花を見て 歌詠む人は 八坂寺 三仏じょうの 縁とこそきけ |
48番 | 弥陀仏の 世界をたずね 行きたくば 西の林の 寺に詣れよ |
49番 | 十悪の 我が身を棄てず そのままに 浄土の寺へ 参りこそすれ |
50番 | よろずこそ 繁多なりとも 怠らず 諸病なかれと 望み祈れよ |
51番 | 西方を よそとは見まじ 安養の 寺に詣りて 受くる十楽 |
52番 | 太山へ 上れば汗の 出でけれど 後の世思へば 何の苦もなし |
53番 | 来迎の 弥陀の光の 圓明寺 照りそふ影は 夜な夜なの月 |
54番 | 曇りなき 鏡の縁と 眺むれば 残さず影を うつすものかな |
55番 | このところ 三島に夢の さめぬれば 別宮とても 同じ垂迹 |
56番 | みな人の 詣りてやがて 泰山寺 来世の引導 たのみおきつつ |
57番 | この世には 弓矢を守る 八幡なり 来世は人を 救う弥陀仏 |
58番 | 立ち寄りて 作礼の堂に 休みつつ 六字を唱え 経を読むべし |
59番 | 守護のため 建ててあがむる 国分寺 いよいよ恵む 薬師なりけり |
60番 | 縦横に 峰や山辺に 寺建てて あまねく人を 救ふものかな |
61番 | 後の世を 思えば詣れ 香園寺 止とめて止まらぬ 白滝の水 |
62番 | 五月雨の 後に出たる 玉の井は 白坪なるや 一宮かわ |
63番 | 身の中の 悪しき悲報を 打ちすてて みな吉祥を 望み祈れよ |
64番 | 前は神 後は仏 極楽の よろずの罪を 砕く石鎚 |
65番 | 恐ろしや 三つの角にも いるならば 心を丸く 慈悲を念ぜよ |
66番 | 遥々と 雲のほとりの 寺に来て 月日を今は 麓にぞ見る |
67番 | 植え置きし 小松尾寺を 眺むれば 法の教えの 風ぞ吹きぬる |
68番 | 笛の音も 松吹く風も 琴弾くも 歌うも舞うも 法の声々 |
69番 | 観音の 大悲の力 強ければ 重き罪をも 引き上げてたべ |
70番 | 本山に 誰か植えける 花なれや 春こそ手折れ たむけにぞなる |
71番 | 悪人と 行き連れなんも 弥谷寺 ただかりそめも 良き友ぞよき |
72番 | わずかにも 曼荼羅拝む 人はただ 再び三度 帰らざらまし |
73番 | 迷いぬる 六道衆生 救わんと 尊き山に 出ずる釈迦寺 |
74番 | 十二神 味方に持てる 戦には 己と心 兜山かな |
75番 | 我すまば よもきゑはてじ 善通寺 深き誓いの 法の灯 |
76番 | まことにも 神仏僧を ひらくれば 真言加持の 不思議なりけり |
77番 | 願いをば 仏道隆に 入りはてて 菩提の月を 見まくほしさに |
78番 | 踊り跳ね 念仏唱う 道場寺 拍子を揃え 鐘を打つなり |
79番 | 十楽の 浮世の中を たずねべし 天皇さえも さすらいぞある |
80番 | 国を分け 野山をしのぎ 寺々に 詣れる人を 助けましませ |
81番 | 霜寒く 露白妙の 寺のうち 御名を称ふる 法の声々 |
82番 | 宵の間の 妙降る霜の 消えぬれば 後こそ鉦の 勤行の声 |
83番 | 讃岐一 宮の御前に 仰ぎ来て 神の心を 誰かしら言ふ |
84番 | 梓弓 屋島の宮に 詣でつつ 祈りをかけて 勇む武夫 |
85番 | 煩悩を 胸の智火にて 八栗をば 修行者ならで 誰か知るべき |
86番 | いざさらば 今宵はここに 志度の寺 祈りの声を 耳に触れつつ |
87番 | あしびきの 山鳥の尾の 長尾寺 秋の夜すがら 御名を唱えよ |
88番 | 南無薬師 諸病なかれと 願いつつ 詣れる人は 大窪の寺 |