札所数 | 36(番号付き札所:33 客番・番外札所:3) |
別称 | |
関連霊場 | |
公式情報・事務局 | |
御開帳情報 | |
開創年・開創者 |
保安4(1123)年に旭なる老女が開創、宝暦11(1761)年に再興とされている |
縁起・由緒・開創経緯 |
◎開創について◎ 名取郡志賀の里にて巫女をしていた旭なる女性は、深く熊野権現を信仰して毎年紀州熊野に参詣していたが、年老いて参詣も叶わなくなったことから、近くに小さな熊野三社を建ててお参りをしていた。あるとき、熊野権現のお告げを受けた旅の山伏が、1枚の梛の葉を携えて旭の元を訪れた。その葉は虫が喰ったような跡があり、「道遠し 年もいつしか 老いにけり 思い起こせよ 我も忘れじ」と読めたと言う。熊野権現からの託宣を受け取った旭は感激して涙を流し、保安年間(1120~1124年)に正式に熊野権現を勧請して、熊野三社が創建された。そのとき合わせて、三十三ヶ所の観音霊場を定めたとされている。 ◎再興について◎ 宝暦年間に気仙沼の補陀寺の智膏和尚ら7人の僧俗によって再興された。この7人は、「奥州札所 宝暦中興七開基」と呼ばれている。 ・大泉 長承寺 宮山 ・気仙沼 前補陀寺 智膏 ・米谷 前冷松寺 日山 ・狼川原 前大慈寺 月釣 ・狼川原 大慈寺 孤峯 ・気仙沼 補陀寺 遼天 ・米谷 雨時庵 左笠 |
備考 |
・33ヶ所の札所に加えて、特別霊場として3ヶ寺があり、計36札所での構成となる観音霊場。 ・開創者とされる旭なる老女は、名取郡志賀の里で巫女をしていた人物。 ・再興されたものの、明治時代以降に再び衰退してしまった。 ・廃寺、無住、個人管理の札所が複数あるものの、霊場専用の御朱印帳もあり巡拝は可能。 |
情報掲載日・更新日 | 公開:2014年05月16日 更新:2021年04月19日 |
札番 | 山・院・寺号 | 霊場御本尊 | 宗派 | 住所 | 備考 |
1番 | 那智山 紹楽寺 | 十一面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県名取市高舘吉田西真坂17 | |
2番 | 天苗山 秀麓齋 | 聖観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県名取市高舘吉田上鹿野東88 | |
3番 | 桑島山 金剛寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 宮城県名取市高舘川上八反68 | 川上観音堂、新宮寺(熊野堂岩口中35)の管理 |
4番 | 安狐山 斗蔵寺 | 千手観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 宮城県角田市小田斗蔵95 | |
5番 | 名取千手観音堂 | 千手観世音菩薩 | 宮城県名取市増田柳田385-4 | 個人宅内 | |
6番 | 青龍山 瑞巌寺(三聖堂) | 聖観世音菩薩 | 臨済宗妙心寺派 | 宮城県宮城郡松島町松島町内91 | 松島青龍山 瑞巌円福禅寺 |
7番 | 富春山 大仰寺 | 千手観世音菩薩 | 臨済宗妙心寺派 | 宮城県宮城郡松島町手樽三浦93 | 奥州3観音、奥州7観音 |
8番 | 両峰山 梅渓寺 | 聖観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県石巻市湊牧山8 | 奥州3観音、奥州7観音 |
9番 | 無夷山 箟峯寺 | 十一面観世音菩薩 | 天台宗 | 宮城県遠田郡涌谷町箟岳神楽岡1 | 箟岳観音、奥州3観音、奥州7観音 |
10番 | 大嶽山 興福寺 | 十一面観世音菩薩 | 天台宗 | 宮城県登米市南方町本郷大嶽18 | 大獄観音、奥州7観音 |
11番 | 香積山 天王寺 | 聖観世音菩薩 | 臨済宗妙心寺派 | 福島県福島市飯坂町天王寺11 | |
12番 | 大悲山 観音寺 | 聖観世音菩薩 | 浄土宗 | 福島県伊達郡桑折町万正寺坂町20 | 伊達五山、信達33観音 |
13番 | 明王山 不動院 大聖寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗豊山派 | 福島県伊達郡桑折町上郡観音沢30 | 信達33観音 |
14番 | 法輪山 大慈寺 | 聖観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県登米市東和町米川町下56 | |
15番 | 竹峯山 大悲院 華足寺 | 馬頭観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 宮城県登米市東和町米川小山下2 | 奥州7観音 |
16番 | 音羽山 清水寺 | 聖観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 宮城県栗原市栗駒岩ケ崎桐木沢3 | |
17番 | 龍雲山 大祥寺 | 十一面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 岩手県一関市花泉町老松水沢屋敷58 | 西之峰観音堂、北国88霊場 |
18番 | 松沢山 道慶寺(六角堂) | 如意輪観世音菩薩 | 曹洞宗 | 岩手県一関市花泉町老松舘平31 | |
19番 | 宝持院 新山観音堂 | 十一面観世音菩薩 | 岩手県一関市花泉町金沢永沢前46 | ||
20番 | 中興山 徳寿院 | 千手観世音菩薩 | 曹洞宗 | 岩手県一関市花泉町花泉西郷目30 | |
21番 | 円通山 観音寺 | 馬頭観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県栗原市金成有壁館下69 | |
22番 | 楽峯山 勝大寺 | 十一面観世音菩薩 | 真言宗智山派 | 宮城県栗原市金成小迫三嶋45 | 小迫観音、奥州7観音 |
23番 | 太白山 長承寺 | 千手観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県登米市中田町上沼大泉門畑28 | |
24番 | 遮那山 長谷寺 | 十一面観世音菩薩 | 天台宗 | 宮城県登米市中田町浅水長谷山288 | 奥州7観音 |
25番 | 妙見山 黒石寺 | 千手観世音菩薩 | 天台宗 | 岩手県奥州市水沢区黒石町山内17 | |
26番 | 亀峰山 長泉寺 | 千手観世音菩薩 | 曹洞宗 | 岩手県一関市大東町大原長泉寺先10 | |
27番 | 東光山 観福寺 | 聖観世音菩薩 | 天台宗 | 岩手県一関市舞川龍ヶ沢7 | 舞草観音 |
28番 | 大善院 蛸浦観音堂 | 千手観世音菩薩 | 岩手県大船渡市赤崎町鳥沢75 | 尾崎神社の境内 | |
29番 | 海岸山 普門寺 | 千手観世音菩薩 | 曹洞宗 | 岩手県陸前高田市米崎町地竹沢181 | |
30番 | 白華山 補陀寺 | 如意輪観世音菩薩 | 曹洞宗 | 宮城県気仙沼市古町2丁目2-51 | |
31番 | 江峰山 聖福寺 | 七面観世音菩薩 | 曹洞宗 | 岩手県八幡平市西根寺田第20地割27 | 白坂観音 |
32番 | 北上山 正覚院 | 十一面観世音菩薩 | 天台宗 | 岩手県岩手郡岩手町御堂第3地割9 | 御堂観音 |
33番 | 八葉山 天台寺 | 聖観世音菩薩 | 天台宗 | 岩手県二戸市浄法寺町御山久保33 | |
特別霊場 | 瑠璃光山 医王寺 | 薬師如来 | 真言宗豊山派 | 福島県福島市飯坂町平野寺前45 | 鯖野薬師 |
特別霊場 | 医王山 毛越寺 | 薬師如来 | 天台宗 | 岩手県西磐井郡平泉町大沢58 | 世界遺産 |
特別霊場 | 関山 中尊寺 | 阿弥陀如来 | 天台宗 | 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202 | 世界遺産 |
札番 | 御詠歌 |
1番 | 補陀洛の 浄土の春を みちのくの 名と里の山 写す御熊野 |
2番 | もらさずの 大悲の誓ひ 頼むかな 二世の願ひも あまねさの法 |
3番 | 後の世を 頼めや頼め 諸人を すぐに導びく 法の教えぞ |
4番 | あらざらむ 罪を斗蔵の 松風は 弥生の霧も 晴るる山路 |
5番 | 消えぬ月 罪もそれそと 今熊野 大悲往古の 朝霞かな |
6番 | 打ち寄する 岸辺の波は 補陀洛や みの里の声も 松風の音も |
7番 | 分けてその 菩薩の誓い 富み山の 浄土へ参る 身こそ嬉しき |
8番 | 頼めただ 湊の船に 法の道 大悲の御種 ここに牧山 |
9番 | 智恵の矢に 射る箟竹の 節込めて 大慈大悲の 月も弓張 |
10番 | 後の世も けふのみの里に 大嶽の 生まれぬ先の 契り深しな |
11番 | てらさめと 濁れる世にも じけんして 草木も共に 誓ひもらさず |
12番 | たのもしや 生きとし生ける 物事に すくはんための 誓ひと聞けは |
13番 | をもくとも 五濁の罪は 消えつへし 身は巡礼の 道にいつれは |
14番 | 頼母しや 大慈の法の 誓には 玉の台に 花の白雲 |
15番 | 踏み迷う 麓の道は おほけなや 御法の鐘の 花の山寺 |
16番 | 遥々と 御山の空も 清水の 花は在世の 彼岸とぞ見る |
17番 | あるそとも 身に成す罪は 岡寺の 鐘聞く時そ 消へも果てなめ |
18番 | 四つの咎 五つの罪を 嘆く身は 六角堂の 悲願頼まん |
19番 | 法の火も とく金沢の あらかねは 大慈の山に あけくれの声 |
20番 | 頼めただ 暗きに迷ふ 後の世も 照らさせ給へ 観音の慈悲 |
21番 | かそいろと 頼めしかいに はるけくも 大慈の誓ひ たひぢいとはじ |
22番 | もふけつも きへはうすべし 罪咎の をもき誓ひを 頼む身なれば |
23番 | さしつみて いつみがそこの 水鏡 清げにすすぐ 後の世の罪 |
24番 | 遥々と みな越し地より 長谷寺の 救世の悲願を 頼むなりけり |
25番 | ざいしょうの 黒石寺に 罪消へて 山懐に 鐘そ聞こゆる |
26番 | 歌人の ことのはやまの 名もしけり もるるかたなき 誓ひ嬉しき |
27番 | あまをとめ たちもふくさや きはてらの 法の力を ただ頼めとや |
28番 | ときわかぬ 波にも花を 崎山の 大慈大悲の 誓いとぞ見る |
29番 | 漏れ出つる くわたのかとを 松の声 波の響きも 御法なるらん |
30番 | あつまぢや かかれる罪と 補陀洛の 寺居に澄める 月よ心よ |
31番 | 紫の 雲を染田の 観世音 ただ十念の おこたらぬ身を |
32番 | 良し悪しを なにといはての 岩つ辻 迷いを照らせ 九世の誓ひに |
33番 |
極楽の 東に来たよ 西の角 月のかつらも 清き水波 六つの辻 遥々ここに 西の角 導き玉へ なお後の世も 罪咎の 重荷を肩に をひづりも 桂清水に 濯ぎ納むる |